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真っ最中の辛さ

おばあちゃんがね、最近お義姉さんと私を間違えて話しはんのよ・・その中身が結構ショックでね・・と近所の奥さんTさんは言い始めた。
まだ50代の半ば、小柄で近所でも評判の美人だ。
Tさんは姑さんと同居しているが、近くには自分の母親もいて1人暮らしをしている。
義理のお姉さん方が3人いる。
1人息子であるTさんの旦那さんは仕事から帰ると毎日ほど「おかはん 昼間あんじょうしてもろてるか・・」というらしい。
あんじょうしてるのになぁ・・と時々Tさんはボヤク。

お姑さんは90歳である。
お姑さんは口が上手でいつも人に会うと「T」ちゃんは一番優しい子でんねん・よう(よく) してくれまんねん・と言う。
そのたびTさんは私に「ね・こんなんやねん・・」と言うようにウインクする・・分ってるよ・・と私も目くばせする。

そのお姑さんが最近変らしい。
夜中に1人で物を食べていたり、時々目の前の人が分らなくなったり、半年前まで自分のトイレは自分で出来ていたのに ついに紙パンツになったらしい。

先日もお姑さんは嫁さんであるTさんにお風呂に入れてもらいながら、しみじみ言ったらしい。
「なぁM子(娘の名前)やっぱり娘は優しゅうてええわ・他人さん(嫁)は冷とうてアカン・キツイし怖いしあんたが一番優しいわ・・」

Tさんは嘆く
「私黙って聞いててん・そやかて目の前にいるのは娘とおもって言うてはるから・・ね」
「理屈では分ってるんよ・ボケがきてはるっていうことはね・・」
「デモね・20歳で結婚して覚悟で同居して・自分の親より長く一緒にいるねんよ・・」
「切ないわ・・でもしょうがないと思ってんねん・・」

私は言葉が見つかりません。
せめて言えることは、お姑さんのお世話は美談よ・・えらいよ・私なんてこれがお姑さんならオットにもでかい態度もできるのに・自分の母だけに・・と思ったこともあった。
自分の母を看ることはオットの親戚の手前も気兼ねなことで、オットにも母娘で気兼ねした。

今は子供は跡取りもヘチマもなく皆平等に親を看て当たり前の時代だと言われるがやはり現実は違う。
Tさんの哀しみと辛さはこれからだ。お姑さんが元気だった頃とは違った方向に進んでいくのかと思うと辛いものがある。
by hanairomimi201 | 2008-09-29 14:35 | うだばなし
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